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歯がまったくない方や総入れ歯の場合でも6本のインプラントですべての歯が揃うオールオン6(All-on-6) とは、一体どんな治療方法なのでしょうか?治療の流れや他の治療法との違い、メリットとデメリットなどを解説しています。
オールオン6はインプラント手術を応用した治療です。欧米で開発されたオールオン4を顎の骨が小さめで強度も低い患者さんのためにアレンジしたものがオールオン6と呼ばれます。
オールオン4が上下それぞれの顎に合計4本のインプラントで一列すべての人工歯を固定するのに対し、オールオン6は合計6本のインプラントを埋入し、その6本を土台にして一列すべての人工歯を固定します。顎の骨が小さい方に適した治療方法とされています。
歯をすべて失った方にも可能なインプラント治療として、また総入れ歯の代替として見た目も使用感も向上させられるよう開発された施術が、オールオン6と考えれば分かりやすいでしょう。インプラント体を6本だけ埋入して一列すべての歯を得られますので、総入れ歯の方や多くの歯を失った方にも対応できる治療方法です。
顎の骨が薄かったり全体的に骨格が小さかったりと、オールオン4の治療方法が適さない患者さんでも治療が可能な場合があります。インプラント体を顎の骨に垂直に埋める通常のインプラント治療と異なり、オールオン6は顎の中を通っている神経を避けて厚みのある部分にインプラントを埋入できますので、顎の骨量が少なくても骨造成や骨移植をせずに手術が可能なケースがあるということです。
インプラント体を埋入した後すぐに人工の仮歯を固定しますので、状態が良ければ、手術当日から噛んで食事が可能な場合もあります。
また総入れ歯と比較しても、安定性や咀嚼力、食べ物の温度の感じ方など、多くの点で比較しても使い心地の良さが期待できるのがメリットです。
失ったすべての歯と同じ数だけのインプラントを埋入する方法と異なり、6本のインプラントを埋入しますので、その分腫れや痛みも少なく身体への負担が軽減されます。一般的なインプラント手術は2回の手術を必要とし期間もかかりますが、それらが短縮されますので身体的・精神的なストレスも抑えることが可能。基本的には入院の必要もありません。
またインプラントの本数が少なくて済みますので、費用の負担もある程度抑えられます。
※痛みやストレスの度合いは個人により異なります。
インプラント体を埋入しますので、外科手術が必要となります。全歯を失っている場合は、歯茎を切開してインプラント体を埋入、抜歯と同時に行う場合は抜歯後にインプラント体を埋入します。施術では一般的に麻酔や静脈内鎮静法を用いて痛みへの対策をします。
オールオン6の治療は保険適用外ですので、保険の範囲内である総入れ歯よりも費用は高くなります。しかし、1本ずつすべての歯をインプラントにする場合と比較すると、費用はある程度抑えられるでしょう。
患者さんの現在までの病歴や持病、治療に対する要望や歯の状態を、カウンセリングにて確認していきます。
オールオン6は外科手術が必要となりますので、CT撮影やレントゲン撮影などを行って、顎の骨の状態を検査します。
カウンセリングと検査で得た情報と結果を基に、治療計画を立てて患者さんに提案します。
土台となるインプラントを埋入します。抜歯と同時の場合もあれば、歯のない部分の歯茎を切開して埋入、縫合する場合もあります。最後に人工仮歯を装着します。
埋入したインプラントと骨が結合するまで、安静に待ちます。個人差がありますが、およそ3ヵ月~6ヵ月となります。
骨とインプラントの定着が確認できたら、インプラントと被せものの連結部分を装着。次に被せものを装着して、最後の調整となります。
インプラントを長持ちさせるため、インプラント歯周炎のリスクを避けるためにも、歯のクリーニングや噛み合わせの確認などの定期メンテナンスを続けます。期間は個々により異なりますので、担当医師の指示に従います。
参考元:春日デンタルクリニック(https://www.tokushinkai.or.jp/kasuga/subjects/implant/all-on-6/)
オールオン4と6の数字は、埋入するインプラントの数を表しています。オールオン6が6本のインプラントですべての歯を支えているのに対して、オールオン4は4本のインプラントですべての歯を支えています。オールオン6は4と比較して2本多く埋入させますので、手術時間もその分長くなり、費用もオールオン6の方が高くなります。
特にオールオン4は欧米の歯科医が欧米人を基準に開発した経緯があるため、日本人の方の場合、骨格の違いから治療が合わない場合もあります。
オールオン6はインプラントで顎の骨としっかり固定しますので、自分の歯と遜色のない使い心地を感じる人もいます。状態が良ければ発音や咀嚼に関しても負担なく行うことができるでしょう。また温かい冷たいなどの食べ物の温度も感じられることもあります。
逆に総入れ歯は口腔内の粘膜に吸い付かせて固定しますので、インプラントによる施術と比較すると、安定感が得にくく違和感があり、発音もぎこちなくなる傾向にあります。咀嚼力はインプラントに比べると力を出しにくく、入れ歯がうまく合わない場合は外れてしまうことも。食べ物の温度も感じにくくなる場合もあります。
オールオン6は保険適用の範囲外ですので自費治療となりますが、総入れ歯は保険適用の範囲で治療・製作が可能です。なによりも費用を抑えたいとする人であれば、総入れ歯のほうが向いているかもしれません。
総入れ歯との違いは使用感だけでなく、長期的に使い続けた場合の影響にもあります。インプラントを埋入するオールオン6は噛み合せが安定しやすいので、顎の骨が痩せにくく、口元が痩せて老けて見られるリスクを避けやすくなるでしょう。
一方で総入れ歯は噛み合わせのバランスがインプラントほど良くないために、使用し続けていると顎の骨が痩せていきま、口元の痩せた老けた顔という印象を持たれやすいです。
ブリッジは部分的に歯がない場合の治療法で、歯のない部分の前後の歯を削って土台とし、被せものを作ります。合計3本の被せものの歯が一体となった形で、入れ歯のように取り外しはできません。
インプラント治療の一つであるオールオン6との違いは、歯の有無にあります。ブリッジは前後の歯が必要となるため、歯が残っている場合はブリッジを検討してもよいでしょう。逆に歯を全て失っている場合、オールオン6による施術が向いているといえます。
また、ブリッジは保険適用内であれば、費用の負担は比較的抑えやすい点も特徴。オールオン6などのインプラント治療は保険適用外となるため、費用負担が大きくなりやすい傾向にあります。
他の違いとして、ブリッジは隣り合う歯を削るなど、残っている歯に負担を与えることがあります。インプラントの場合は残っている歯への負担が少ないため、残っている歯を大切にしたい人はこちらの治療が向いているといえるでしょう。
参考元:公益社団法人日本口腔インプラント学会(https://min-implant.jp/beginner/difference/)
参考元:安田歯科医院(https://www.ikeda-ic.com/implant/all-on.html)
顎の骨が小さく顔が小さい方や顎の筋肉が少ない方などは、オールオン4と比較して、オールオン6の方が向いていることがあります。
入れ歯は長い間使っていると次第に合わなくなってくる場合があります。入れ歯が合わないという人であれば、代わりにオールオン6の施術を受けてみても良いでしょう。また、入れ歯で咀嚼力や発音に支障があり、できるだけ自分の歯で食べているような自然な使用感を求める方にも、オールオン6は向いています。
自分の歯が残っていても、障害と診断されるほど噛み合わせが悪い場合、食べ物をしっかり噛んで食べることができません。咀嚼障害や摂食障害のような症状を改善する方法として、オールオン治療による対応が可能です。
歳を重ねるにつれて顎の骨は減少していきますので、入れ歯を装着していても神経を圧迫してしまうことがあります。オールオン6ですとこのようなケースも治療が可能で、入れ歯の代わりの歯として使用することができるでしょう。
また顎の骨が少なく通常のインプラントが難しい場合でも、オールオン6なら対応可能な場合もあります。顎の骨が少ない方は選択肢の一つとして選ぶことができます。
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[※1]インプラントの主要な学会・資格取得の条件
・国際インプラント学会(ICOI)認定医:12ヶ月以上経過しているインプラント症例、20症例の提供、各国際口腔インプラント学会研修の受講、等(参照元:https://implant-fukuoka.jp/about-icoi)
・国際口腔インプラント学会(ISOI・DGZI)認定医:インプラント症例、術後3年経過のドキュメントを20症例提出、筆記試験合格、教育講演の受講、等(参照元:https://kokusai-implant.jp/authorize.html)
・日本口腔インプラント学会(JSOI)専門医:インプラント症例、上部構造装着から3年以上経過している症例を20症例以上提出、筆記試験、面接試験、等(参照元:https://www.shika-implant.org/certification/specialty/saisoku.html)
・日本顎顔面インプラント学会 専門医:該当学会の認定指導医・専門医の下でインプラント症例の診断、治療計画、インプラント手術合計30症例以上の経験、筆記試験等(参照元:[PDF]https://www.jamfi.net/senmoni/PDF/senmonikisoku2021.pdf)
・日本顎顔面インプラント学会」専門医:該当学会の認定指導医・専門医の下でインプラント症例の診断、治療計画、インプラント手術合計30症例以上の経験、筆記試験等
[※2]2023年6月21日に調査時点の情報です。
[※3]Google検索で「藤沢 インプラント」と検索して出てきた歯科医院・クリニック62院の中から、「主要な学会の認定医以上の資格[※4]をもつ医師の在籍」「取り扱うインプラントが3種類以上」「フラップレス手術に対応」が公式HPで確認できる藤沢市の歯科医師・クリニックを選出しました。(2023年6月21日調査時点)
[※4]調査の中でインプラントメーカーの取扱いは1~2種類の歯科クリニックが多く、3種類以上は選択肢が多いと判断しています。