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インプラント患者の平均年齢と年齢制限

インプラントの治療を受けられるのは20代～70代までとされています[※1]。厚生労働省の出した統計[※2]では、15歳以上でインプラント施術を受けた人は2.6%。中でも60～69歳で割合が高く、5%以上は最低1本のインプラントを入れているというデータがあります。

インプラント治療に適正年齢はありませんが、顎の骨がまだ成長途中にある子どもがインプラント治療を受けるのは、噛み合わせに不具合が生じてしまう可能性が高いため、避けたほうが良いとされています。治療は顎の骨の成長が止まる20代頃を目安にして行われているようです。

高齢になると治療により削った顎の骨の再生やインプラントの定着率が低くなるので、80歳以上のインプラント治療も避けたほうがいいとされています。

インプラント治療は年齢だけでなく患者さん一人ひとりの健康状態によって大きく左右される治療。80歳以上でも健康な場合はインプラント手術が可能です。逆に高血圧や糖尿病といった全身疾患を抱えているなどの事情がある場合は手術ができないこともあります。

※1参照元：インプラントネット｜インプラント治療に年齢制限はある？

※2参照元：[PDF ]厚生労働省｜平成23年歯科疾患実態調査　結果の概要

インプラントの平均寿命

インプラントの平均寿命は10年以上。しっかりとメンテナンスを20年経っても問題なく使い続けられます。インプラント治療はこれまで歯の治療の主流であった入れ歯の寿命が4～5年、ブリッジが7～8年であるのと比べると、長く使い続けられます。

インプラントが長く保てるのは、チタン合金やチタンなどの丈夫な素材で出来ているのも理由のひとつ。そのため、歯医者さんによっては治療後10年以上の保証をつけています。

長く付き合っていけるインプラントですが、日々のブラッシングや歯のメンテナンスを行わなければ、すぐに抜け落ちてしまうことも珍しくありません。

インプラントを長く保ち健康な口内を維持するためには、術後のメンテンスが重要です。

※参照元：インプラントネット｜インプラントの寿命はどれくらい?

メンテナンスの重要性

インプラントは「インプラント周囲炎」と呼ばれるインプラントの周りに歯垢や歯石がたまり歯茎が腫れ炎症を起こす症状により、抜け落ちてしまうことがあります。

インプラント周囲炎にならないためには、定期的にクリニックへ通い歯のメンテナンスを行うのはとても重要です。

クリニックで行われるインプラントのメンテナンスでは、日々のブラッシングで取り切れなかった歯石や歯垢を取り除き、インプラント周囲炎の予防が可能。インプラントを長く保つために、噛み合わせ調整やレントゲン撮影など患者さん一人ひとりに合わせたメンテナンスを行えるので、よりよい口内環境を保てます。

患者さんによってインプラントのメンテナンスの頻度は異なるので、担当医の指示に従うことが大切です。

インプラント医師の資格

インプラントの治療は顎の骨を削ったり、歯茎にメスをいれたりする外科手術。担当の医師の専門的な知識や技術が必要です。患者1人ひとりの口腔内の状態に合わせた治療計画を選択できなければ、失敗のリスクを伴います。経験や知識、技術を持つドクターが在籍しているクリニックを選びましょう。

信頼できるドクターが在籍するクリニックを選ぶ判断基準のひとつとして、国際口腔インプラント学会（ICOI）の認定医や日本口腔インプラント学会などの、資格を保有したドクターが在籍しているかポイントになります。

認定医の資格を取得するためには、専門的な知識と経験が必要です。資格は更新制で、資格取得後も勉強し続ける必要があるので認定医の資格を持っているのは勉強熱心なドクターといえるでしょう。

信頼できるクリニックや担当医を選ぶときのひとつの基準にしてみてはいかがでしょうか。

インプラントに関連する資格一覧

インプラント治療を行う歯科クリニック公式サイトを閲覧すると、医師情報の中に「専門医・指導医」の資格名が記載しているのを目にします。各資格の取得条件を見ると、膨大な知識や技術、経験が必要となり、インプラントのスペシャリストであることがわかります。

日本口腔インプラント学会専門医

インプラントの治療に関して、十分な学識と技術を有している医師に交付される資格。交付条件は以下の通り

• 日本国歯科医師の免許を有すること
• 5年以上継続して日本口腔インプラント学会正会員であること
• 研修施設に通算して5年以上在籍していること
• 日本歯科医師会会員であること
• 専門医教育講座を3回以上受講していること
• 日本口腔インプラント学会学術大会及び支部学術大会に8回以上参加していること
• 日本口腔インプラント学会専門医制度施行細則（以下、「施行細則」という）に定める所定の研修を修了していること
• 口腔インプラント指導医2名（内一名は施設長）の推薦が得られること
• 施行細則に定めるインプラント治療の経験があること
• ケースプレゼンテーション試験に合格していること
• 日本口腔インプラント学会学術大会または支部学術大会において2回以上発表を行っていること
• 口腔インプラントに関する論文を日本口腔インプラント学会学会誌又は委員会が認める外国雑誌に1編以上発表していること

または、前項にかかわらず、委員会が申請資格を有すると認めた者。

参照元：公益社団法人日本口腔インプラント学会公式HP（https://www.shika-implant.org/certification/specialty/kitei.html）

日本口腔インプラント学会指導医

日本口腔インプラント学会指導医は、日本口腔インプラント学会専門医資格取得後にインプラントに関する深い学識と技術を有している医師に交付される資格。交付条件は以下の通りです。

• 10 年以上継続して正会員であること
• 研修施設に通算して 8 年以上在籍していること
• 専門医教育講座を申請前直近の 3 年間に 3 回以上受講していること
• 本会学術大会及び支部学術大会に直近の 10 年間に 10 回以上参加していること
• 本会学術大会及び支部学術大会において 6 回以上発表（内2回は主演者）を行っていること
• 口腔インプラント指導医 2 名（内1名は施設長）の推薦が得られること
• 施行細則に定めるインプラント治療の経験があること
• 施行細則に定める口腔インプラントに関する論文を6編以上（内3編は筆頭著者で本会学会誌筆頭論文１編を含む）発表していること。本学会誌を論文として提出する場合の筆頭著者とは、原著（基礎研究、臨床研究）では上位3名まで、総説論文では上位2名まで、症例報告、調査・統計、資料、依頼論文では筆頭著者（最上位）のみとする。また、本学会が認める他学会誌で筆頭論文を充当する場合筆頭著者（最上位）のみとする。ケースプレゼンテーション論文は、口腔インプラント指導医の論文とは認めない。
• 本会が指定する救命救急に関する講習会を1回以上受講していること
• 前項にかかわらず、委員会が申請資格を有すると認めた者。

または、前項にかかわらず、委員会が申請資格を有すると認めた者。

参照元：公益社団法人日本口腔インプラント学会公式HP（https://www.shika-implant.org/certification/specialty/kitei.html）

日本口腔インプラント学会専門医・指導医の肩書は、治療技術を磨き経験を積み重ねた証となりますので、信頼できる歯科医師探しの良いヒントになります。

インプラント治療の流れ

一般的なインプラント治療の流れは以下の通りです。

1. 精密検査

   患者の病歴確認と現在の健康状態を確認します。その後、口腔内検査・レントゲン撮影をして口内の状況を調べます。

2. 初診・治療計画の説明

   歯の欠損本数・顎骨の強度と大きさ・位置を検査して、無理のない治療プランを作成し説明します。

3. 一次手術(フィクスチャー埋入の手術)

   インプラントの土台となるフィクスチャーというネジ状の部品を顎骨に埋め込みます。1本埋めるのに、10～15分程度の時間を有します。

4. 抜糸

   一次手術で施した縫合を解き、手術部位の状態を確認します。

5. 定着期間

   フィクスチャーが、顎骨と強く結びつくまでしばらく置く期間。個人にもよりますが、下顎は2～3カ月・上顎は4～6カ月程費やします。この時、必要に応じて仮の歯を入れるケースもあります。

6. 経過観察

   術後3週間後、口腔内の検診のため月1回程度通院が必要です。

7. 二次手術(アバットメントの連結)

   フィクスチャーを埋めた部位の歯茎を切開し、人工の歯を支えるアバッチメント（支柱）を装着します。この時、簡単な手術を行うケースもあります。

8. 装具(人工歯の装着)

   二次手術で切開した歯茎が回復したら頃に、歯の型を取って色合い的にも患者に適した人工歯を作成して取り付けます。

9. 定期検診・メンテナンス

   半年に1度、インプラント・人工歯の状態を確認します。インプラントを装着するために、9つの段階を踏まえます。人工の歯を装着するのに長期間かかりますし、治療完了後も通院の手間も生じます。しかし、その分「しっかり食べ物が噛める」など得られるものは大きいのも事実です。

参照元：インプラント治療の概要・治療の流れ | インプラントネット（https://www.implant.ac/knowledge/article/203/）

色々悩みやすいインプラント治療ですが、不安を解消するためには専門の医師に相談してみましょう。

インプラントがあるとMRI検査は受けられない？

「インプラントをしたことがあるとMRI検査が受けられない」という噂を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。昨今インプラントというと歯科インプラントを指し、その多くは問題なくMRI検査を受けられます。では、受けられないのはどんな場合なのか、どうしてそのような噂があるのかまとめています。

インプラントに違和感があったら

インプラントで感じる違和感は、違和感が起こる時期や症状、そして理由も様々です。このページでは、インプラントで起こる違和感とはどのようなものがあるのか、原因は何なのか、またその対処の仕方についてまとめています。

なぜインプラントにチタンが使われるのか

インプラントには一般的にチタンが使用されます。これは、チタンが金属でありながら非常に金属アレルギーを引き起こしにくい素材だからです。そのため、金属アレルギーの人のインプラント治療にも使用できるのが大きなメリットとなります。

アバットメントは何種類あるのか

かぶせものとインプラントを連結するための部品がアバットメントです。アバットメントの素材は、主にチタン、金属合金、ジルコニアの3種類。どの素材を用いるかは、患者さんの希望や口内状況によって決定されます。

インプラント治療で歯がない期間はどれくらい？

インプラント治療が完了するまでに1年程度かかるケースもあります。その間、歯がない状態で生活しなければならないと思われがちですが、実際は入れ歯や仮歯などを作るため、見た目ではほとんど治療していることは分からないでしょう。ただ入れ歯を作るのか、仮歯にするのかなどは状況によって異なります。

また歯周病で歯を失ったケースだと歯周病治療が優先されるので、インプラント治療期間が長くなるでしょう。まずは歯科医に治療期間や治療方法などを確認することが大切です。

Xガイド

Xガイドとは、インプラント治療をより正確に行うためのナビゲーションシステムです。コンピュータ上で診断や分析を行い、シミュレーションに沿って手術ができるようにガイドしてくれます。

Xガイドを使うことで骨の内部にある神経や血管まで正確に把握できるため、トラブルを回避することが可能です。

20代のインプラント治療

骨の成長が終わる20歳ごろから、インプラント治療を受けられます。20代は骨量も多いため、簡単な手術でインプラントを埋入できるケースが多いといわれています。

インプラント治療は自費治療になりますが、分割払いやデンタルローンを利用することも可能です。

インプラントの形状や治療の種類

インプラントの形状や治療にはさまざまな種類があり、失った歯の本数など、自分の歯の状態によって選択することも可能です。

形状や治療種類の基礎知識をつけておくと、治療前やカウンセリングでの歯科医師とのやりとりがスムーズになります。

インプラント治療後にエステは受けられる？

インプラントの治療後にエステや美顔器を使えなくなるという注意喚起やウワサについて、真相を確かめました。

電磁波による影響の可能性についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

子供でもインプラントはできるのか

子供にインプラント治療を受けさせたいと考えている親御さんもいるかもしれませんが、残念ながら子供はインプラント治療を受けることが難しいです。なぜ難しいのか、その理由や代替案を紹介していますのでご覧ください。

老後のインプラントにデメリットはある？

老後のインプラント治療にはいくつかのメリットがありますが、メリットだけではなくデメリットを把握することも大切です。場合によってはインプラント治療を受けられないので、どのようなデメリットがあるのかも把握しておきましょう。

インプラント治療後の噛む力

インプラントの施術後に噛む力がどうなるのかは気になるところ。経過が良好であればしっかりと噛めるようになり、食べ物の制限なども特にはありません。ただし違和感がある場合の対応や注意すべき点があるので予め知っておくべきです。

インプラントで臭いが出る原因

インプラントを施術したことで、口から臭いが出てきてしまうという事態も気をつけたいポイントの1つです。なぜ臭いが発生してしまうのか、原因についてしっかりと理解を深めておき、その上で適切なケアをしっかりと行うことが大切になります。

インプラント治療前後の過ごし方

インプラント手術前

インプラント治療は、外科手術の一種なので、切開や縫合はつきものです。手術当日に、疲労が蓄積していたり体調が良くなかったりしたら、術後の回復に支障をきたす恐れがあります。スムーズに治療を進めるために、手術当日は体調を万全に整えてください。

【体調を整える4ヵ条】

1. 禁煙：血流悪化による免疫力低下による感染症・部品の抜け落ちを予防
2. 口内環境維持：丁寧なブラッシングで歯周病の原因となる食べカスを除去
3. 深酒禁止：手術当日の体調不良を防ぐ
4. 口呼吸を避ける：口内乾燥による歯周病菌増殖を防ぐ

インプラント治療後

インプラント手術後の術部位は、非常にデリケートです。術後は入院をしないため、自分自身で口内の状態に気を配りましょう。

• 食事の注意点

手術箇所の出血・腫れ・痛み・部品の破損を防ぐために、おかゆ・ヨーグルトなど柔らかい食品をメインに食べましょう。

• 口内ケアの注意点

縫合糸が外れる、手術箇所の損傷を防ぐために軟毛ブラシで優しくケアしてください。（クリニックによっては、軟毛ブラシを渡してくれるところもある。）

• 生活習慣の注意点

「喫煙・運動・湯船につかる時間が長い」これらの習慣に心あたりがあるなら、治療期間中は控えましょう。

喫煙：血流が悪化し、傷跡の治癒が遅くなります。医師指導のもと禁煙してください。

運動：血流促進させ、傷跡からの出血を招く恐れがあります。手術後、2～3日は運動を控えましょう。

湯船につかる：血流促進による傷跡からの出血を招く恐れがあります。手術後、2～3日はシャワーで済ませてください。

インプラントの痛みと腫れ

インプラント治療を受けた後、麻酔の効力が失われたことで痛みと腫れが生じると思っていませんか。インプラントの痛みは、一般的に「抜歯したときと同じくらいの痛さ」と思われがちです。

実際に痛みと腫れが生じるケースとして、「インプラント部品を埋め込む個数が多い」「手術範囲が広い」「骨移植手術を行った」の3つが当てはまります。これらの条件に当てはまっても、痛みと腫れの心配を抱く必要はありません。術後は、歯科医から痛み止めや抗生剤を処方してくれます。用法用量を守って服用すれば、日常生活に支障をきたすことは、ほぼないでしょう。

また、用いるインプラント部品の中には、腫れや痛みが少ないものもあります。HAインプラント（ハイドロキシアパタイトインプラント）という、骨の構成成分を歯茎に触れる部分の表面にコーティングした部品があります。手術回数は一回だけで済み、症例によって歯茎を切開せず埋め込むので痛みと腫れが軽減できます。

治療法や処置によって費用は変動する

インプラント治療は、装着個数1本につき30万～50万円程の費用がかかります。

内訳	費用
精密検査と診断料	約1.5万～5万円
インプラントの手術代	約10万～38.5万円
人工歯作成費用	約10万～15万円
メンテナンス費用	約0.5万～1万円

ただし、上記の費用はあくまで全国平均です。首都圏や都市部の場合、全国平均より高めに設定されていて、1本につき35万～55万円程かかります。また、上記で記載されている内訳以外の治療法を行った場合、費用変動がおきます。

参照元：インプラントネット

• 骨造成術(GBR)

顎骨の厚みを補い、インプラントをしっかり支えきるために行われる治療です。骨を増やす治療法を追加する場合、骨造成術(GBR)で3万～10万円程かかります。

参照元：インプラントネット

• 麻酔方法

麻酔方法は、注射針によるものと呼吸器から吸引させる方法とでは、かかる費用が異なります。静脈内鎮静法だと6万5千円程度、笑気麻酔だと1万2千円程度というように、方法によって費用が異なります。

参照元：インプラントネット

患者の体質や精神的な部分によって、一般的なインプラント治療に加え、特殊な治療方法が必要となります。ただ、治療方法や特殊な治療法追加はクリニックによって費用が異なりますので、事前に医師との密に相談をしましょう。