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せっかくインプラントを埋め込んでも、トラブルが生じると撤去しなければならないことがあります。撤去方法や撤去が必要になるケース・原因、撤去後の治療についてまとめました。
インプラント治療は、歯の欠損に対して行われる治療法の一つ。顎の骨に埋め込む人工歯根が「インプラント」です。部位や条件によっても異なりますが、インプラントは90%以上の確率で10〜15年は残存・機能します(※)。しかし、何らかのトラブルが生じたら、これよりも短い期間で撤去しなければならないケースもあるのです。
インプラントを撤去するときは、顎の骨からインプラント本体を取り外して施術を行います。骨が減っていてインプラントが緩んでいるときには、骨を削らずに撤去することが可能です。一方、インプラントが骨にしっかりと結合しているときには、歯茎を切開して骨を削ってから撤去します。
インプラントの撤去施術は、保険適用になるケースとならないケースがあります。保険が適用されるのは、インプラント治療をしたクリニック以外のところで撤去するケースです。しかし、治療したクリニックで撤去施術も受けると、保険が適用されない可能性があります。
インプラント治療のあとに、下顎のなかの「下歯槽神経」が麻痺することがあります。下唇や下顎の皮膚、口腔内粘膜、歯茎などに知覚異常が生じるというものです。発現率は0.13%~8.5%と幅がありますが(※)、どの程度軽微・一時的な症状が含まれているかによって異なっていると考えられます。麻痺が続き、原因がインプラントであることが明らかな場合には、インプラント撤去が必要かもしれません。
インプラントは歯茎を切開して埋め込むため、外科手術を伴う治療です。しかし、クリニックの衛生管理が整っていないと、手術後に細菌感染が起こることがあります。細菌感染による腫れや痛みが長く続いたり膿が出ていたりすると、インプラント撤去が必要となる場合もあります。こうした状況に陥った場合はクリニックに相談しましょう。
インプラントの周辺に汚れがついていて細菌が増殖すると、インプラント周囲炎が起きることがあります。あまり自覚症状がないので、症状に気がつきにくい点が問題です。症状が悪化して骨が減ってしまうと、インプラントの撤去が必要になることもあります。
インプラントは、インプラント本体(人工歯根)と人工歯、それらを連結するアパットメント(支台部)から構成されています。上部の人工歯が破損した場合は、作り直せる可能性があります。しかし、顎に埋め込んだインプラント本体が破損したときには撤去する必要が生じる場合も。破損時にはクリニックに相談することをオススメします。
一般的にインプラントの材料になるチタンは、空気に触れるとすぐ表面に薄くて安定した酸化膜を作ります。この酸化膜にさえぎられるため、金属アレルギーを防ぎやすくなります。ただ、インプラント治療を受けた全員が金属アレルギーを起こさないとは限らないので、金属アレルギーが起きている場合にはインプラントの撤去が必要になるかもしれません。
インプラントの撤去が必要になるのは、手術後の経過や身体の状態によって生じたインプラントの不具合が原因として考えられるでしょう。
インプラントが適切に埋め込まれていなかったり、ドリルによってオーバーヒートされたりすると、顎の骨にしっかり結合されないことがあります。手術直後に刺激の強いものを食べたり、歯ぎしりや激しい運動を行なったりすると、回復が遅れて定着が悪くなることも。
また、長期的にみると何らかの病気にかかった方がインプラントの不具合を訴えるケースが比較的多くなっています(※)。
経年劣化やケア不足も、インプラントの撤去が必要になる原因の一つです。
インプラントの治療を受けたあとに定期検診やメンテナンスをしていない人は、インプラント周辺のトラブルが発生しやすいとされています(※1)。日常生活におけるセルフケアや、クリニックでの定期受診をしていない場合には、劣化が早くなるかもしれません。加齢による身体機能の低下によっても、セルフケアが困難になることがあります(※2)。
インプラントを撤去したあと、再度インプラントを埋め込む場合には骨造成と歯肉再生、埋め込まない場合には入れ歯にするという治療法が考えられます。
インプラントを撤去した部分は、骨が減ってしまっているケースがほとんどです。骨の量や厚みが十分でないまま再手術すると、インプラントが骨を突き抜けたり歯肉から露出してしまうことも。自然に骨が再生されないと想定されるときには、骨を増やす手術をしてから再度インプラントを埋め込みます。
丈夫で健康な歯肉ではない部分にインプラントを再度埋め込むと、メンテナンスが困難になったり骨と結合しにくくなったりします。そのため、歯肉を再生する手術を行ってから、インプラント治療を受けることが必要です。
歯肉再生手術には、別の場所の歯肉を上皮組織ごと移植する方法や、上皮組織は移植せず内側の結合組織のみを移植する方法などがあります。
インプラント撤去後に骨造成の手術や歯肉再生の手術を受ける場合、保険適用外になり高額な治療費がかかります。インプラントの再治療も含めるとさらに高額となり、手術を受けられないこともあるでしょう。その場合は、歯を失った部分を入れ歯にすることが、主な治療法になります。
インプラントを撤去したあとは骨や歯肉が減ってしまっていることが多いため、歯茎に当たる部分にシリコーン製のクッションを加工した「コンフォート」や、大きく骨を失った方のための「顎義歯」などの特殊な入れ歯を使用する場合もあります。
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藤沢駅・茅ヶ崎駅からアクセス◎小田急線「長後駅」西口下車徒歩5分と退勤・下校の間にも通いやすい。
[※1]インプラントの主要な学会・資格取得の条件
・国際インプラント学会(ICOI)認定医:12ヶ月以上経過しているインプラント症例、20症例の提供、各国際口腔インプラント学会研修の受講、等(参照元:https://implant-fukuoka.jp/about-icoi)
・国際口腔インプラント学会(ISOI・DGZI)認定医:インプラント症例、術後3年経過のドキュメントを20症例提出、筆記試験合格、教育講演の受講、等(参照元:https://kokusai-implant.jp/authorize.html)
・日本口腔インプラント学会(JSOI)専門医:インプラント症例、上部構造装着から3年以上経過している症例を20症例以上提出、筆記試験、面接試験、等(参照元:https://www.shika-implant.org/certification/specialty/saisoku.html)
・日本顎顔面インプラント学会 専門医:該当学会の認定指導医・専門医の下でインプラント症例の診断、治療計画、インプラント手術合計30症例以上の経験、筆記試験等(参照元:[PDF]https://www.jamfi.net/senmoni/PDF/senmonikisoku2021.pdf)
・日本顎顔面インプラント学会」専門医:該当学会の認定指導医・専門医の下でインプラント症例の診断、治療計画、インプラント手術合計30症例以上の経験、筆記試験等
[※2]2023年6月21日に調査時点の情報です。
[※3]Google検索で「藤沢 インプラント」と検索して出てきた歯科医院・クリニック62院の中から、「主要な学会の認定医以上の資格[※4]をもつ医師の在籍」「取り扱うインプラントが3種類以上」「フラップレス手術に対応」が公式HPで確認できる藤沢市の歯科医師・クリニックを選出しました。(2023年6月21日調査時点)
[※4]調査の中でインプラントメーカーの取扱いは1~2種類の歯科クリニックが多く、3種類以上は選択肢が多いと判断しています。